行動学を学ぼう!ドッグサインの基本・犬のストレスサインとは?犬と共に暮らすために必要なこと
目次
人間のような言葉を持たない犬や猫達は
視覚的なコミュニケーション方法を沢山使います。
いわゆるボディランゲージ
相手に自分の気持ちを「体」で表現する動物なんですね!
「カーミング・シグナル」や「ストレスサイン」
と呼ばれ、相手との対立を避けるための「犬の言葉」です 😛
- 自分自身の不安と緊張
- 嫌悪感
- 相手の緊張をほぐしたい
- 対立して攻撃などしたくない
犬は、自分を何とか落ち着かせようとし、
周りの相手にも自分の気持ちをメッセージとして送っているのです。
このような初めのサインを見落としてはいけません!
犬の気持ちや心のストレスバロメーターにいち早く気付き、接し方を変えてみることです!
そのまま不安や緊張を高めさせてしまえば
次の行動は、「威嚇」や「攻撃」「逃走」…
最終的には「パニック状態」… 😥 🙁
犬が不安を感じている時のサイン(初期)
①鼻先を舐める
口周りに何も付いていないのにやたらペロペロと舌を出し、自分の鼻を舐めたりします。
同時に相手から顔を背けて、目をショボショボさせていることが多いです。
②あくびをする
場違いなタイミングであくびをしますが、緊張や不安の表れです。飼い主さんがイライラして機嫌が悪かったり、怒られている時にもアクビがでます。バカにしているわけでも、診察台の上で眠たいわけでもありません。 😳
③床の匂いをかぐ
突然相手の目の前で、地面の臭いをかぐ素振りをみせます。気まずい場面をごまかすかのように、ソワソワしています。
④体をふる
毛が濡れたわけでもないのに、ブルブルっと体を振ります。一見不安そうな素振りには見えないかもしれませんね。
⑤体を搔く
さっきまで痒そうな様子でもなかったのに、急に後ろ足で脇腹などをかいたりします。人間でも困った時などに、頭をポリポリとかくイメージと似てるかもしれません。
⑥体をべったり寄せる
診察室でも、飼い主さんにピッタリくっついてしがみついている犬は多いです。これは、見るからに不安気な犬の気持ちがわかる仕草です。
⑦しつこく体を舐める
自分自身や人間の足や手などをしきりに舐め続けます。犬は親愛に気持ちで人間の口元を舐めると言われていましたが、何度も舐め続けるのは不安だからです。相手に「落ち着いてよ」「勘弁して~」という意味。実は人間の口元をずっと舐めるのも、これにあたります。甘えている行為だと思われていましたが、最近の行動学の見解では「不安と緊張」の現れとのこと!
⑧動きが固まる
「フリーズする」などと呼ばれます。緊張して体の筋肉に力が入り、硬直した感じですね。
診察台の上で人形のように動かないのでお構いなしで処置されがちですが、いつ攻撃に転じてもおかしくない状態です。
⑨肉球に汗をかく
犬や猫は肉球付近に汗腺があります。人も緊張しすぎると手汗が大量に出る感じが同じですよね。診察が終わった後に、濡れた足跡が台にベッタリ残ってます。
⑩急に抜け毛が増える
精神的な影響で現れる体の反応で、一時的に毛が多く抜けるようです。診察室に入った途端に急にフケが目立つことも多いですね。
⑪陰茎の先が飛び出す
オス犬の場合、包皮からピンクのおちんちんが先が出ていたりします。
診察台にのせられている時や、預かって犬舎に入れられた時など、しばしば見られます。
老犬に多いのかなと思っていましたが、ストレス時の現象でもあったんですね。
⑫パンティング
「パンティング」とは、舌を出し口をあけてハアハアと呼吸する激しい息づかいで、猫にもみられます。
本来、暑い時に体温調節をする体の変化ですが、過度なストレス時にも呼吸が荒くなってしまいます。
⑬大量によだれが出る
ダラダラと滴るくらい流れる子もいますね。リラックスしていたり本当に暑い時も出ますが、極度な緊張時には交感神経の高まりにより大量の唾液が出てしまうのです。
⑭片脚を上げる
前足を軽く浮かせてたりします。かわいい姿なのですが、本人たちはドキドキしていたり緊張状態。
トレーニング中、飼い主さんが曖昧で犬にわかりにくい指示を出していたりすると、片足をあげてたりします。どうしていいかわからず「困ったなあ」という感じでしょうか。
⑮顔を背ける
苦手な人や犬が近づいて来ると、スッと顔を横にむけ目をそらします。これは人間も同じような行動をとりますのでイメージしやすいですよね。診察台では逃げようにも身動きが制限された状況なので、顔というより体ごと先生に背をむけてしまいます。
⑯マウンティング
最近では、ストレスホルモンの影響の行動とも言われています。交尾行動のマネのように、人間の足やクッションなどにも腰を振る行動です。犬同士の上下関係の誇示の意味もありますが、ストレスがかかった時の緊張・不安状態が引き起こすという考えが広まっています。
普段、私の仕事は動物看護師です。
なので、いろんな犬達の様子を
診察室、待合室、入院犬舎でじっくり見る機会があります。
動物たちにとって動物病院という場所は・・・
「…ここ何処?一体何するとこ?」
「知らない人間と犬が近くにいるよ!」
「何でこんな台の上に?!」「意味わかんない!!」 😥
「体を捕まえられて動けないよ~!!」
「殺される~!!!」 😡
まさに、こんな心境だろうな~と思います。
それでも、私たちは治療をしないといけない立場なので…
最小限のストレスで治療が終われるように、
無駄に動物たちが暴れなくても済むように
最善のアプローチ方法で診察に挑みたいです!